2023/05/3019世紀半ばのアメリカで、女性の権利を求めて闘った実在の女性たちを描く『FACTORY
GIRLS~私が描く物語~』。2019年に日米クリエイターの共作により世界初演され、同年の読売演劇大賞優秀作品賞を受賞したミュージカルが、待望の再演を果たす。労働運動を率いるサラ・バグリーを初演に引き続き演じるのは、柚希礼音。6年宝塚歌劇団星組トップスターを務め、絶大な人気を誇った彼女は、2015年に退団後も様々なジャンルの舞台で輝きを放っている。とりわけ本作の役柄はリーダー的な女性で、「燃えたぎるものがあります!」と、再演に向けて意欲的に稽古に取り組んでいる。そんな柚希に本作への意気込みや、女優として歩んできたこの8年の道のりについてなど、インタビューで聞いた。
「恋愛もののミュージカルが多いなか、これだけ女性中心のミュージカルは、3年半前は特に珍しく、演じている私たちも『すごく面白いけれど、お客様はどう思われるかな』と不安もありました。しかし初日が開くと口コミで評判がどんどん広がり、私の友達も『今までのミュージカルで一番好き』と言ってくれるなど、働く女性たちの心にとても刺さるものがあるのだなと実感したんです」と振り返る柚希。その後、読売演劇大賞優秀作品賞を受賞し、「本当にみんなで喜び合いました。なので再演が決まった時はすごく嬉しかったですし、新たなメンバーも加わりどんな感じになるのだろう」と興奮が収まらなかったという。物語の舞台は、産業革命により大規模な紡績工場が誕生したアメリカ・ローウェル。女性が社会進出し、働き始めるようになった時代、労働時間の延長など劣悪な環境に疑問を抱き、世の中を変えようとする〝ファクトリー・ガールズ〟の姿が描かれる。「それまで女性は結婚して家庭に入るのが普通だったのが、銀行口座を開設し、お給料をもらって働くように。ただ環境があまりにひどくて、ペンの力で立ち上がっていくんです」。
後にその労働運動のリーダーとなるのが、貧しい家族を助けるために故郷から出てきたサラ・バグリー(柚希)。「もともとリーダーだったわけではなく、家族のために工場で働くんだ!と夢を抱いて出てきたのですが、女性たちの労働環境に驚き、みんなが我慢していたことも、素直な性格なので『このままでいいの?』と口に出して…。最初は『そんなこと言っちゃだめ』と周りからは言わ
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